自転車とスキーと6万本の矢
自転車に乗ったおばちゃんが、「わ~!どいてどいて。」と言いながら、まっしぐらにこちらにぶつかってきたことってありますか?
私は1回だけあります。
高校の時のスキー教室で、どうして自転車に乗ったおばちゃんというのは、こちらにまっしぐらに向かってくるかというのを先生から質問されました。私を含めた生徒たちは、「おばちゃんは運動神経が悪いから?」「おばちゃんというのは総じてケンカっぱやいから」など回答しました。
でも、先生の答えは、
「おばちゃんだけでなく人間は、目標に的確に向かうから」でした。
人間というのは、目標に定めたものに向かっていく性質がある。「これ」と思ったらそこに向かっていく。ただ、人間の脳は否定の言葉がうまく伝わらないので「ここに向かってはいけない」と思っても、そこに向かってしまう性質がある。そのため、本当にそこに向かいたくない場合は、そこから目を外さないといけない。だから、スキーでどこかにぶつかりそうになったら、そこから目を離して本当に行きたい方向に焦点を合わせないといけないということでした。
先日の読書会で、アメリカの博士によると人は無意識のうちに1日6万回もアレコレと無駄な考え事をして過去を悔やみ、未来を心配していて、 「6万本の意識の矢」を凡人はどうでもいい所にむやみやたらに放っている一方、天才と言われる人たちは目指す場所に放っているという話がでてきました。
今の私は、あれもこれもやりたい、ああなったらどうしよう?と考えてしまうことがあるので、散漫になったり、ネガティブ方向にいかないように、スキーと自転車と6万本の矢のことを思い出しています。